2004年9月26日


高知市助役が「特定市民」とビアガーデン 市役所一丸となった対応ほど遠く 下本文雄・高知市議が質問 

  質問する下本文雄議員

 9月16日の高知市議会で日本共産党の下本文雄議員の質問のうち「特定市民問題」部分の要旨を紹介します。

 下本議員 いわゆる「特定市民」について平成13年12年議会で当時の松尾市長は「職員のささいな対応の誤りや事務処理のまずさを指摘することなどを通じて、不当な圧力、強要を行う等、行政の正常かつ円滑な運営を妨げる行為をする市民を指している」と答えている。「特定市民」問題は、本会議でも8年3月議会で我党の宮島議員に始まり、これまでのべ13人の議員が取り上げ、市長・執行部の市政をただしてきた。

 松尾前市長はそのたびに「毅然とした対応を取る」と答えてきたが、先日、私たちの控え室に「私は人から『特定市民』と言われている者だが」という人物から電話があり、「この前も市の幹部と酒席をともにした」と言っていた。酒席はビアガーデンで堂々と行われており、数人の職員も目撃している。

 松尾前市長は13年12議会の島崎議員の質問に「誤解を招くことのないよう今後接することは差し控えたい」と答えているが、幹部職員はその後も「お付き合い」をしているようだ。岡崎市長はこのような付き合いが未だにされていることを知っていたのか。職員はどう感じると思うのか。

 高知市は「不当要求対策要求要綱」を制定し「対策マニュアル」の作成を手がけている。マニュアル案では暴力団の資金獲得が困難になり行政への不当要求が多発していることを要因と捉えているが、これでは不十分だ。
 「毅然とした対等をとる」と言っておきながら、依然として不当要求、特定市民問題は後を絶たない。職員が数百万円を恐喝される事件にまですすんでいる実態がある。
 建設委員会に報告された事件では、担当職員が精神的に耐えられない状態になり上司に相談し、上司を含め3人で金を出している。もう一件は管理職と上司3人で協議し「金を出さないと解決しない」という結論を出している。法を遵守し、公正な行政をしなければならない公務員、しかも幹部職員が脅しに屈して金を出したことは重大だ。

 高知市はなぜ特定市民や団体に弱いのか、なぜ不当要求事件が多発するのか。許してきた原因はな何なのか。市は事務事業の見直しを作業を行っているが、この際、公正な事務執行が行われているかどうかの見直しが重要だ。

 岡崎誠也高知市長 不当要求への対策として今年4月以降判明した深刻な事案を中心に、どうして発生したのかを検証して分析したが、現場まかせ、市民要求の職員の受け取り方に差異があった、些細なことに因縁をつけられ次第に要求が拡大していった、執拗に要求を受け最終的に管理職が現金を支払って解決したなど、多くの反省点があった。
 今回制定した対策要綱、対応マニュアル案は全庁的なヒアリングによって得た意見、他都市の要綱・マニュアル、警察庁の見解も盛り込んでおり、相当な実効性があると考えている。
 
今後、不当要求行為が発生した時には、早期に正確な情報収集を行い、組織的な対応を速やかに着実に行わなければならない。幹部職員と市民との付き合いは注視されているところであり、誤解されることの内容慎重な対応が必要だ。

 下本議員 高橋助役と特定市民と言われる人物との酒席の場での付き合いがあったという情報が職員からあった。松尾前市長も「付き合いは差し控えたい」と答えていた人物であり、これだけ大きな問題になっている状況で、トップクラスの幹部がこのような付き合いをすることは大きな問題。事実があったのか。岡崎市長も付き合いがないのかどうか正直に述べてもらいたい。

 岡崎市長 私は市民を一般市民と特定市民と区分けすることには疑問を持っている。どちらも高知市民には変わりはない。 市役所に30年近くいたので、そういう方々と付き合いはあったが、市長となると、そういうわけにはいかないので、市長になってからは付き合いはない。

 高橋正道助役 言われているのは何年か前に新聞報道された方と思うが、当時はそういう言われ方をしていたが、特定市民に当たるかどうか。当時の店も閉めて、その後は不当要求や不当介入、強要はしていない。多少苦情が多いという程度。その方とはこの夏、ビアガーデンに行った。時期も時期であり、助役という立場でもあるので、軽率のそしりは免れない。

 下本議員 付き合いが明確にあったことへの反省の弁も含めた答弁があったが、高橋助役は不当要求対策本部副部長でもあり事は重大だ。不当要求に一丸となって取り組む決意を示しているのに職員が幹部を信頼できると思うのか。