2004年9月5日


高知新聞100周年行事が池田大作氏・創立美術館の展覧会 学会とメディアの癒着深刻

 高知新聞社は創刊100周年記念行事として「印象派と西洋絵画の巨匠展」と銘打った展覧会を、高知放送・東京富士美術館と共催して10月30日から県立美術館で開きます。同展では東京富士美術館所蔵のルノワールやミレーなどの絵画が展示される予定です。東京富士美術館といえば池田大作・創価学会名誉会長が創立した創価学会の外郭団体。所蔵する絵画は池田氏が学会マネーで買い集めたコレクションです。「自由民権運動の伝統を受け継ぐ」と自称する同社の記念行事に、「宗教」を利用して政治に強い影響力を行使する権力者に媚びを売る展覧会は似合いません(左は同展覧会の案内チラシ、創価学会を連想させるような記述は見あたらない)。

“創立者”は池田先生

 東京富士美術館の公式ホームページの紹介文冒頭には「東京富士美術館は1983年、池田大作SGI会長により創立された総合的な美術館で、日本、東洋、西洋の各国・各時代の絵画、彫刻、工芸、版画、武具、刀剣、写真など様々なジャンルの作品約25000点を収蔵しております」とあります。創立者としてのあいさつも掲載されるなど「池田美術館」というのが実態です。
 学会内で池田氏を紹介する時には「池田先生は、創価学園・大学、東京富士美術館を創立した」と創価大、東京富士美術館の「創立者」であることが、必ずと言ってよいほど繰り返されます。「創立者」というのは学会内部で特別の響きを持つ用語で、池田氏以外に使われることはありません。学長や館長はどうでもよくことあるごとに「創立者」を繰り返し、池田氏の大学・美術館というイメージを一般学会員に徹底的に刷り込んでいきます。「池田先生は大学や世界的な美術館を作った。先生は文化的な教養が高い」と池田氏を神格化するための手段として大々的に利用されています。

 池田氏の絵画好きは有名で、海外で気に入った絵があると「画廊ごと買っておけ」と指示したという逸話もあるほどですが、91年にはルノワールの2点の絵画購入を巡って創価学会が15億円の裏金を作った疑惑(※)が発覚し大問題になりました。その舞台になったのも東京富士美術館でした。



富士美術館の催しをトップで紹介する聖教新聞 キャパの遺作も多く買い集めており、繰り
返し「キャパ展」にも取り組んでいる


報道の危機

 高知新聞と創価学会の癒着は確実にすすんでいます。高知新聞紙上には、学会員以外はまず買わない池田氏が書いた(とされる)池田本のカラー全面広告が踊り、高知新聞の子会社による聖教新聞の印刷、高知放送ラジオでの池田礼賛番組など何重にも及ぶ「金縛り」が確実に効いています。
 現場記者が「創価学会の批判は絶対に書けない。少しでも書くと上から強いクレームがくる」とこぼすように、学会批判は完全にタブー化されており、学会に批判的な団体の動きもまったくといっていいほど報じることができない状態です。

 今回の展覧会には大量の学会員が「一目池田先生の絵をみたい」と来場することが予想されますが、「宗教」を利用して強大な権力を行使する権力者の礼賛と神格化に、権力を監視すべき報道機関が自ら加担していくことは報道の使命の放棄に他なりません。

 ※創価学会のルノワール疑惑 91年、創価学会に依頼され三菱商事が36億円で画商アート・フランスからルノワールの絵画「浴後の女」「読書をする女性」を購入したが、画商に21億円しか支払われておらず約15億円が使途不明になった。当時、学会側にキックバックされ池田氏がゴルバチョフ氏と会談する資金に使われたと報道された。