大川村・土佐町で豪雨被害 幹線県道が各地で崩壊 依然孤立集落も
土石流で寸断された県道17号(8月21日、大川村小松付近)
土佐郡大川村・土佐町を8月17日に襲った大雨により、住民の生活を支える幹線道路である県道が土砂によって寸断され、大川村内の大半が停電。朝谷(旧白滝地区)、大北川地区では県道6号(高知伊予三島線)が至る所で崩壊し、電話も不通になっており孤立状態になるなど甚大な被害が出ました。村の早急な復旧にむけて局地激甚災害指定にむけて国に強く働きかける必要があります。
合田司郎・大川村長は、「人的被害が少なかったことは幸いだった。村の『結いの文化』(地域の助け合い)のおかげだ。道路の損壊は幹線に面しているところだけでも50カ所以上で(21日時点)、全部把握できていない。国県は全力をあげてくれているが、孤立している地区への早急な通信手段の確保が急がれている。朝立地区にある和牛飼育施設のへの飼料の運搬のメドが建たず非常に困っている。局激指定にむけて全力をあげる」と話していました。
21日には日本共産党と緑心会の塚地佐智県議、小橋則通・日本共産党衆議院四国ブロック事務所長が大川村の被災状況を調査しました。
今回の被害は、早明浦ダム湖に流れ込む沢の支流が上部の尾根付近から大規模に崩れ落ち、土石流となって沢を横断している部分の県道(早明浦ダム建設にともない山の上部の急斜面を削って付けられている)を押しつぶしたパターンが特徴。上部の崩壊地点は急斜面に密植されて、間伐されていないスギ・ヒノキで、集中豪雨と山の荒廃が重なって起きた災害といえます。
緊急避難的な道路通行は回復に向かっていますが、正規の道路改修や崩落の進行を止める治山対策などは被災カ所の多さ、規模の大きさから多額の出費が予測され、これから多くの困難が生じる可能性があります。
朝立地区の村営住宅に住む西森由平さん(36)は、「17日午後はものすごい雨が静かに降った。側溝からあふれた土砂が家の中まで流れ込んできた。夕方、保育園に預けている2人の子供を迎えに行こうとしたが、道路が崩壊して行くことができず、歩いて小松まで下った。とりあえず子供を実家に預け、歩いて朝立に戻って生活できるように家を片づけなければ」と話していました。
被災の写真レポート