高知空襲平和祈念碑が建立 平和求める運動実る 7月4日に除幕式
碑を前にあいさつする梅原憲作・高知空襲と戦災を記録する会長
高知空襲と戦争被害を風化させず後世に伝えようという運動が実り、高知市が「高知市平和祈念の碑」を総合運動場前(大原町)に建立しました。1945年7月4日の「高知大空襲」から59年目の同日、遺族や関係者130人が出席して除幕式が行われました。平和七夕や「戦争と平和を考える資料展」などの運動に取り組んできた「高知・空襲と戦災を記録する会」や平和資料館・草の家がすすめてきた空襲犠牲者調査の中で実現したものです。
除幕式では岡崎誠也・高知市長があいさつ。高知・空襲と戦災を記録する会の梅原憲作会長が「1979年から戦争と平和を考える資料展を続け、犠牲者調査を進める中で、84年には高知市非核都市宣言、89年に高知市平和の日制定決議、2001年には犠牲者調査と碑の建立を決め今日を迎えた。犠牲者の名を納めたこの碑が、悲しみの中から未来へ希望を伝えるものとなるよう祈念したい」と報告しました。
市長や遺族代表者が碑の除幕を行い献花。犠牲者を悼み平和への思いを新たにしていました。
碑の中には空襲で亡くなった犠牲者411人の名簿が納められていますが、今後も明らかになった犠牲者名を加えていくことにしています。
遺族の隅田章さん(80)は「終戦当時、兵隊にとられて高知にいなかったが、戦争が終わってから空襲で兄が死んだことを知った。今回、碑が建てられたことで、歴史を未来に伝える自分たちの責任を果たせたように思う。早く戦争のない時代になってもらいたい」。74歳の女性は「はりまや町に住んでいたが、空襲で父と2人の弟を亡くした。ものすごい焼夷弾だった。戦争で人が死ぬというのは本当に悲しい。繰り返してはいけません」と話していました。
除幕式には空襲で肉親を失った遺族が多数参加した