「交付税は合併したほうが損」 橋本知事が物部村・香北町で
物部村での説明会
7月4日、橋本大二郎県知事は土佐山田町・香北町・物部村による合併の是非が焦点になっている物部村・香北町に入り、「単独では予算が組めなくなる」と、住民に合併賛成を訴えましたが、説明会の中で、将来の交付税の推移について「合併したほうが損」になることを認める発言をしました。
知事は、将来の交付税について、「将来に渡って確たる根拠を持って語ることはなかなかできない。どちらが損か得かということは、大きな差は少なくともない」と発言した上で、「あまりに損になることはやってはいけない。しかし、大きな差がなく、近い将来、財政的に立ち至らなくなることを考えたなら(合併も考えられる)」と述べ、合併したほうが損になることを認めました。
また「合併してもよくなるとは言えない」、「合併しても交付税は削られる」など、合併すれば将来の財源が確保されるという俗論とは一線を画した発言をしました。
同時に、国の「三位一体の改革」の影響で「今年度並み、または以上に地方交付税が削られたら、単独では数年後に予算が組めなくなる」と強調し、合併すれば「危機を避けられる」と述べました。しかし今年並み、または以上に交付税がカットされれば、合併した自治体でも予算が組めないのは同様であり、合併すれば「危機が回避」できるという発言には説得力がありません。また合併により取り組む新たな事業の財源について、「様々な特例の措置」と表現し、「借金をさらに重ねる」という、住民に分かりやすい言葉では話しませんでした。