2004年6月6日


園児のパン代で理事らが飲食 土曜出勤ねつ造し補助金詐取も 江の口保育園の異常な経営実態を執行部が報告 高知市議会 


集めたパン代は園児のパン購入のためには使われなかった

 園児が定員に達しているにもかかわらず違法に「自由契約児」を入園させ、保護者から集めた保育料を裏金化して理事らが海外旅行や忘年会などに使用していた江の口保育園(高知市)が、これまで判明している「保育料」の裏会計とは別に、園児の保護者からパン代と称して集金した金をパン購入に使わずピンハネしてプールし、理事らの飲食に使用していました。また土曜出勤していない職員を出勤したと偽って高知市に報告していたことが分かるなど、同園の異常な経営実態が明らかになりました。5月27日の高知市議会厚生委員会(岡田泰司委員長)で執行部が報告したもの。

 問題の「パン代」は正規に入園した園児、「自契児」双方にまたがり主食代として保護者から集められていました。集まった金は、実際にはパン購入代金にあてられることはなくプールされ、理事会会議費と称する理事会の時の飲食代や弁当代に消えていました。

 明らかになっている金額は平成10年度から15年度だけで、10年以前からの繰り越し(80337円)、保護者から集めたパン代(269306円)、支出が理事会会議費(190000円)、遠足弁当代他(120366円)。平成10年段階で繰り越しがあるということは相当長期にわたって同様のことが状態化していたことが分かります。

 では園児のパン代はどこから出ていたのか。実際にはパン代は正規の園児の措置費の中からやりくりされていました。つまり理事会が園児のパン代をピンハネしたことにより、正規に入園している園児が本来受け取ることができたはずの食事等が間引かれたことになります。
 保護者からパン代と称して金を集め、使途は理事らの飲食代では、保護者の子供への思いを利用した詐欺行為といわなければなりません。

 この日の市執行部の報告では、土曜日に出勤の実態がない職員のハンコをついて出勤簿を偽造していたように見せかけていたことも明らかにされました。文書を偽造しての補助金詐取の疑いは濃厚であり、今後、刑事問題に発展することも考えられます。

 この他にも「自由契約児」の「保育料」が、理事の中元・歳暮に6年間で約109万円も使われていたというひどい実態も明らかになりました。

 また田能満寿夫理事長や岡村康良理事(公明党市議が)が知らないと言いはっている「自由契約児」の存在について、執行部は「理事長の職務代理者(浜川総一郎市議のこと)は聞いた記憶があると言っている」と述べ、田能氏や岡村氏がいくら「知らない」と言ってもまったく説得力のない状況になっています。