2004年4月18日


高橋次郎氏を尋問「金銭へのかかわりない」 笠証言を否定 元県土木部長も 


           尋問を受ける高橋次郎氏

 4月8日の県議会百条委員会では、平成3年から5年にかけて県土木部長を務めた榎並谷哲夫氏、橋本知事の擁立に関わった選挙スタッフの高橋次郎氏の証人尋問が行われました。
 
榎並谷・元県土木部長

 質問 平成5年に坂本ダム工事の入札について談合情報が書かれた怪文書が出回っていたことなどから平成6年の坂本ダムの入札は談合ではなかったのか。 
 榎並谷 業者を呼んで事情聴取した。県としてはやるべことをやり入札した。議会の議決も必要で、きちんと処理ができたので、談合の事実はないと判断している。

 質問の中では、平成5年に県本山土木事務所長が熊谷組に再就職したこと、榎並谷氏と笠氏、故井上長英・元伊野町長が会食していたことの指摘がありました。

高橋次郎氏

 質問 選挙事務所での役割は。 
 高橋 郡部への連絡係。選挙資金にはまったく関わっていない。

 質問 平成4年2月9日、選挙管理委員会への報告に記載できない支出の領収書の焼却をホテル佐渡で高橋氏に頼んだと笠氏が述べているが。
 高橋 事実無根。ありえない。まったく関与していない。

 質問 誠橋会設立へのかかわりは(笠氏らの証言では高橋氏は設立に深く関わっていたことになっている)。
 高橋 案内状を作ったというのは事実誤認。事務次長は名前だけで、知事の窓口にするために笠氏本人が作った。私は興味もなかった。

 質問 実際には選挙で大きな金が動いていたことを知ってどう感じるか 
 高橋 裏でこういうことが行われていた。草の根の方に申し訳ない(涙ぐみながら)。残念だ。
 質問 一連の問題への感想を。 
 高橋 自分に利権をくれるのは良い知事、くれない知事は使えないというのが今回の絵図。笠氏が自分の意志で動いているとは到底思えない。横領ととられかねないことまで出てきているが、どうしてこんなことを言い出したのか。橋本が町田照代氏に金を借りることを知っていれば、あの男の性格なら『やめてくれ』と言った。「落選してもいいので草の根、金は使うな」と言っていた。

 高橋氏は、笠氏の証言の重要部分を「事実無根」として完全否定しましたが、委員からはそれ以上の質問はでませんでした。
 高橋氏については元木益樹委員長が2月県議会本会議の質問で「県の建設工事を受注している業者が出資する会社から報酬を受けている。業者との癒着だ」と問題視して橋本知事の攻撃材料にしていたこともあり、自民党議員から激しい追及が予想されましたが、淡々と尋問は終わりました。