2004年4月4日


2月県議会 30人学級など県民本位の県政へ前進 自民らの道理ない攻撃強まる 塚地県議に聞く


        塚地佐智議員

 2004年度県予算などを審議した2月定例県議会が3月18日に閉会しました。今議会を振り返って「日本共産党と緑心会」幹事長の塚地佐智議員に話を聞きました。

 塚地 今議会は、昨年11月に橋本大二郎県知事が4選を果たした後、初めて当初予算を審議した議会でした。
 小泉内閣による地方交付税の大幅削減をはじめとする「三位一体の改革」により歳入が大幅に不足し、基金を取り崩す極めて厳しい予算編成になりましたが、この中でこれまで多くの県民が切望し、教職員組合や民主団体と私たち県議団が実現にむけて取り組んできた30人学級が実現しました。
 また郡部で要望の強かった中山間地域の農林業「担い手」育成のための制度を県独自で充実させています。きびしい予算の中でこれらを実現できたことは大きな成果です。

 −−知事が国に対して意見を述べる場面が目立ちましたね。

 塚地 質問戦で示された知事の政治姿勢の特徴は「国に対しても言うべき事は言う」というものでした。「三位一体の改革」へのきびしい批判を明快に述べ、世論を喚起していこうというスタンスを鮮明にしました。またビキニ環礁の水爆実験による被災者問題でも情報公開を要めることを表明するなど、国に対してきちんと物を言っていく姿勢が示されました。
 
 −−乳幼児医療費助成制度拡充の方向が示されました。

 塚地 今後の予算編成にかかわる問題としては、個人住宅耐震補強工事の助成制度具体化にむけての検討開始や、子供達の医療費の無料化の年齢引き上げを明言するなど、暮らしを守る県政として前向きな対応が示されました。
 また04年度からは「元気応援団」として地域に新たに43人の県職員を派遣し、住民の願いに対応する県政に大きく一歩をふみだしました。これをどう実らせていくかという課題はありますが、住民の声を県政に反映させるルートづくりとしても意味はあり、他県にない特長をもった県政の方向性です。県民にむきあう県政改革の流れが橋本県政のもと、実現しつつあることは大いに評価していきたいと考えます。

 −−当初予算から職員の新しい旅費システム関連の予算が削られました。

 塚地 議会が予算案をチェックして削除することはありうることですが、このシステムは県庁職員の旅費関連の事務を外部委託して、仕事の簡素化・透明性を高くする観点からはじまった事業です。この狙いの積極面は誰しも認めるところでこれまで関連予算は議会も認めてきました。
 基本設計についてプロポーザル方式で業者選定が行われました。5社から応募があり、うち2社は地元業者とジョイントしました。今回のプロポーザル方式は、プランニングやコストの提案書を各社に出させ、外部委員と県庁職員が、様々な項目の点数をつけて高得点の企業を選ぶやり方でしたが、審査の結果、地元業者とジョイントしていなかった近畿ツーリストが最高得点になり選定されました。
 点数が高いという結果が出たからには、選定しなければプローポーザル方式の意味がありません。
手続き上の問題があったわけでもない正規の手順を踏んだ審査の結果に、議会が横槍を入れた結果になりました。
 新システムの契約期間は5年間ですから、実施後に問題が出たなら次の機会にやり直すのが、これまでの議会の対応の経過からして当然のことでしたが、これを数の力で押し切って予算を削除したことは問題を残したと思います。

 −−人事案件でも不可解な動きがありました。

 塚地 昨年の知事選挙で反橋本色を鮮明にした自民党、公明党、県民クラブによる道理のないの知事への攻撃が強まったのが今議会の特徴でしたが、最も象徴的なのが人事案件でした。
 4年前に選ばれた時には自分たちも賛成している人物を、重大な失点があるというはっきりした理由を示さずに、とにかく認めないという態度に出ました。
 とりわけ教育長について自民党は、2週間ほど先伸ばしにして臨時議会を開き、同一人物を再度選ぶのかどうかというような不可解な話までしました。県民に分る説明はまったくされておらず、訳がわからないと思います。県民不在の党利党略としか言いようがありません。
 −−議長選挙も行われました。
 
 塚地 議長選挙の結果、議長が自民党に、3人会派の公明党が副議長になりました。
 民意を反映する議会の民主的ルールからいえば、議長は第1会派から、副議長はその他の会派から出るべきですが、8人の21県政会や6人の「日本共産党と緑心会」をとばして第5会派で3人の公明党を副議長にしたことは問題があります。
 これらの過程の中で常任委員会などのポスト配分で「日本共産党と緑心会」を一切排除する一方、県民クラブ(4人)、公明党(3人)などにはポストを分ける動きが明らかになってきました(4月7日の組織議会で正式に決定)。昨年は「日本共産党と緑心会」も常任委員会副委員長のポストを得ていましたが、今回は「共産党を除く」旧態依然とした非民主的な議会運営に逆戻りした感があります。

 今議会、「日本共産党と緑心会」は、橋本県政の県民と向き合う積極面を伸ばし、理不尽な県政攻撃、議会のルールを歪める横暴は許さないというスタンスで取り組んできました。これからも一層の県政改革に努め、県民福祉や教育の充実に力を尽くしますので、みなさんのご支援をお願いします。