「人権」の名による“同和残し”一掃を 県人権共闘が県教委と意見交換
人権と民主主義、教育と自治を守る県共闘会議(梶原政利議長)は、同和対策特別措置法が期限切れを迎えて地域や人物を特定した施策が終結したもとで、人権教育という名による「同和教育」残しともいえる実態が残っていることの是正を県教育委員会に求め3月26日、県庁内で話し合いを持ちました。
人権共闘から窪田充治副議長、鎌田伸一副議長、西村導郎・事務局次長などが、県教委は藤本昌司・人権教育課長らが出席しました。
話し合いでは、県人権共闘側が要請した@長浜の教科書無償化運動の教材化にあたっては憲法26条に基づく運動であったことを明確にすること、A土佐山田町内の小学校で「解放子ども会」への教員の参加が事実上割り当てられていることの是正、B「人権教育7課題」の学校への点検の取りやめ、C児童生徒に僭称語を教えるのはやめ、たとえ使用した場合でも差別事件扱いをしない、という4項目について意見交換しました。
藤本課長は@について「憲法を暮らしに生かすために多くの人々が協力して取り組んだ運動という認識には異論はない」と述べ、基本認識で一致しました。加えて「運動には多くの同和地区住民も参加している。背景には同和地区の貧困があった」と述べたことから、人権共闘側は「貧しい人だけをタダにせよという運動ではなかった。憲法に定められた権利としてすべての人を無料にという運動であり、これが長浜の運動の全国の運動憲法を暮らしに生かすために1人の人間として運動に参加した人たちを、後から同和地区住民だとレッテルを貼るのはおかしい」と後段部分の認識を改めるよう求めました。
県教委側はAについては「実態を調査する」、Bについては研修用の資料作成のため情報を集めているだけで点検ではないと述べましたが、「現場では7項目を教えなければならないとなっており、事実上の点検になっている」と是正を求める声が上がりました。
Cについて藤本課長は「中学校教科書にも載っており、学校の判断でやっている」と僭称語を使用した教育もありうるという認識を示しましたが、人権共闘側は「子供に教えておいて使えば事件扱いする。高知市は全国でも『差別事件』数はダントツ。マッチポンプのようなことはいい加減にやめるべきだ」と指摘しました。