2004年3月28日


高校入試改変に県民の声を 子連が県教委と話し合い 「新制度で高校の淘汰も」(高等学校課長)

 
県教育委員会が2005年度から、従来の中学校校長推薦に代わり、「希望する生徒全員が受験可能な前期選抜」を柱にする県立高校入試の制度改編について、「子どもと教育守る県連絡会」(西森稔代表)と県教委高等学校課が話し合いを持ちました。
 「子連」側は中学生の保護者、高教組、県教組、母親運動県連絡会などのメンバーが参加。県教委は佐藤光次郎・高等学校課長らが応対しました。
 「子連」側の要望のポイントは、@県教委が諮問した高校問題検討委員会の「報告」を受け6月にも入試制度改編の基本方針を発表しようとしていることに対し、「基本方針を出す前に、幅広い県民の意見を聞く機会を持ってほしい」、A新制度を作成するにあたっては、日本政府が国連・子ども権利委員会から勧告されている「教育制度が極度に競争的」「子どもの身体的および肉体的に否定的な影響を及ぼしている」ことを考慮することの2点。
 話し合いの中では、県教委が高校問題検討委員会の報告で「大半の県民の意見は聞いた」としていることに意見が集中。「意見を聞いたというが、子供や保護者の段階には何も知らされていない」、「方針を県教委が決めてしまってから説明しても、丸の内高や大方商業の二の舞。土佐の教育改革の精神で、方針を決める前に幅広い県民の意見を聞いてほしい」などという意見が出されました。
 すでに「入試改革」が先行している徳島県や長野県で、前期試験で大量の不合格者が出るなど矛盾が噴出していることが「子連」側から紹介され、校長推薦を廃止しても現状の推薦制度の問題点が解決するどころかますます拡大するという懸念が示されました。
 佐藤・高等学校課長は、「意見を聞かせていただいた。慎重に対応する」と述べました。
 また佐藤課長は、「新入試制度では学校の特色が鮮明になる。高校が生徒に選ばれる時代になる。その中で淘汰されていく高校も出てくる」と述べ、新しい入試制度と高校再編・統廃合をリンクさせる発言をしました。