2003年10月16日 高知民報
松尾市長の退職届け承認に市議団は退席
2003年10月14日 日本共産党高知市議会議員団
松尾徹人市長が知事選に出馬するため退職届けをだし、それを承認する臨時議会が14日に開かれました。退職への同意に先立って、9月に市職員が詐欺容疑で逮捕されたことを受けて、松尾市長の給与月額20%2ヶ月分を退職手当から減額する条例議案が提出されました。
日本共産党市議団は、罪状が確定していない時点での処分であること、退職手当から減額するという二重の全国にも前例のない問題点を指摘しながら、現時点の対応として市長の退職金減額条例議案については、賛成の立場をとりました。
同時に、このような異例の事態を招いた背景に、市長の突然の知事選出馬表明があり、その経過には大きな問題があると、次の問題点を指摘しました。
第一に、9月議会の中では知事選への問いかけに慎重姿勢を述べるのみで、今回の知事選出馬については、一言も意思表明はなかった。しかし、議会が閉会した直後、支援団体に出馬あいさつ、支援を要請した。これは議会軽視もはなはだしい問題であると言わざるを得ません。
第二に、市の幹部職員ですら、マスコミ報道を通じて市長の退職を知るという、市長と職員の信頼という点できわめて異常な事態を招き、市政に混乱を作り出しました。
第三に、なによりも市民に対して、市長選から1年足らず、3年の任期を残しての退職であり、松尾市長に投票した市民のみならず、すべての市民に対して、まったく無責任であり、許されない問題です。
以上の討論のうえで、市長退職の承認についての意思表示として、退席という形をとりました。日本共産党は、3期9年間、大型プロジェクト事業に熱中し、借金に借金を重ね、自らも9月議会で、「財源に不安がある」と言わざるをえない財政状況をつくり出した松尾市政を一貫して批判してきました。市議団としては、市民の生活と社会保障を主役とする市政実現に向けて一層奮闘していく決意です。