2003年9月7日 高知民報


さんさんテレビが池田礼賛番組を放送

学会員が配った宣伝ビラ

 高知さんさんテレビ(フジテレビ系列)は8月23日(土)11時から「自然との対話 池田大作写真展」(30分番組)を放送しました。高知県内でも創価学会のメディア支配がひろがっています。
 番組は、池田大作・創価学会名誉会長が自ら「撮影」した風景写真を流しながら、写真につけた詩のような短文をナレーターが朗読するもの。後半は池田氏が世界各国から多くの勲章をもらい高く評価されていることを強調し、礼賛する内容です。
 池田氏の写真といえば小泉純一郎首相が公明党大会の席上べたぼめして媚びを売ったことが話題になりましたが、創価学会が池田氏を「世界の指導者」として神格化する手段に使っている写真展をダイジェスト版にまとめた番組です。
 創価学会はこの番組に限らず商業メディアを利用した宣伝活動を戦略的に重視しています。池田氏や学会関係の番組が放送されるたびに聖教新聞紙上で大きくとりあげ、「池田先生はテレビに紹介される偉い人」と、池田氏の神格化と創価学会の権威付けに徹底的に利用しています。

■30分番組が24万円

 「池田写真展」番組は全国各地で放送されているものですが、四国では初めての放送です(放送前に創価学会員が地域で配布したビラに記載)。
 なぜ「素人」の写真展がテレビ番組になってしまうのでしょうか。答えは簡単。テレビ番組には自局が制作した番組やネット局が制作した番組の他に、企業・団体PRのための「持ち込み番組」という枠があるからです。
 高知さんさんテレビの佐藤俊治・業務推進局理事は「この番組は創価学会から持ち込まれたもの。局側は基準に照らしてチェックして、さしつかえなければ放送します。ようするに番組枠を創価学会に売ったということです。創価学会だからどうこうということではなく、是々非々でやっている。創価学会の番組は以前には断ったこともある。民放ですから営業面のことも考え、条件さえあえば放送します」。
 「池田写真展」番組は、創価学会が宣伝のために買い取ったものだったのです。高知さんさんテレビの「タイム料金表」を見ると、土曜日11時は、もっとも格安の「Cタイム」で、この時間帯に30分番組を出す費用は24万円。わずか24万円で30分番組枠を買い取れるというのは驚きです。巨大教団・創価学会が地方局の番組を買い取ることなど造作もないことなのです。
 テレビを見ている視聴者には、番組が24万円で創価学会に買い取られたものということは分かりませんから、「テレビが取り上げるくらい池田先生はすごい」と思わせる宣伝効果は充分あります。
 高知市北部の新興住宅地ではオンエア直前に学会婦人部の女性が放送予定を書いたビラを手に、「こんな番組をやるので見てね。あとで感想も聞かせて」と近所を軒並み訪問。総選挙が近づくなか番組を対話の糸口にして公明党フレンド票の掘り起こしにしっかり「活用」しています。

■県民的な監視を

 不況による広告収入の激減と、デジタル放送への対応でローカル局の経営は大変な打撃を受けています。その中でスポンサーとしての創価学会の存在は重みを増す一方。RKCラジオで放送されている「新・人間革命」朗読や、各種の創価学会関係の広告などは増え続けています。
 佐藤・高知さんさんテレビ業務推進局理事は「『心が洗われた』など普段の単発買い取り番組と比べて多くの積極的な反応が寄せられている。この反応は素直に受け止めたい。クレームは特に来ていない」とコメント。 「積極的」な反応が学会員の組織的なものであることは容易に想像できますが、今回の「池田写真展」番組を前例に、県内でも創価学会からテレビ局へのアプローチが強まり、テレビ局側も迎合していくことが予想されます。創価学会のメディア支配を許すことのないよう、県民的な監視を強めなくてはなりません。