2003年11月30日 高知民報


丸の内高音楽科存続 森田英二県議(総務委員長)「マニアか趣味か分からん人に迎合」  西森潮三県議「腰砕け」 自民県議が暴言


 11月10日に開かれた県議会総務委員会(森田英二委員長・自民)で、県教委が県民の強い反対世論を考慮して県立高知丸の内高校に音楽科存続を決めたことに対し、自民党県議が「腰砕け」「マニアか趣味わからん人に迎合」となどと暴言を繰り返しました。30日に投票される県知事選挙で現職の橋本大二郎氏を激しく攻撃し、松尾徹人氏担ぎ出しの中心になっている自民党県議団の反県民的体質が露呈しました。
 この日の総務委員会では大崎博澄・教育長が丸の内高校に音楽科を残すことを含む「高校再編案」が県教育委員会で議決されたことを報告しましたが、これに自民党県議団が猛烈に噛みつきました。
 自民党県議の言い分は「県教育委員が勝手に丸の内高校に音楽科を存続させたことはけしからん。そんな弱腰でどうする」ということにつきます。
 西森潮三議員は「ちょっと反対が強かったら、腰砕けになってへなへなになって、また元通りにしますということでは、ちょっとおかしい」。森田英二議員は「こんなマニアといったら大変失礼かも分からんけど、音楽をしたいから残してくれと、そんな話に迎合していたら、我々はどこまで信じて執行部を応援したらいいのか」など県教委が音楽科存続を決定をしたことに繰り返しクレームを付けました。ここには、県民や子供を主人公にした教育をすすめていく姿勢はまったく見ることができません。
 また森田総務委員長が「総務委員会としては承服しかねる」とまとめたことは、教育内容は教育委員が決め、行政は条件整備に徹するというルールをも踏み越えるものです。

自民議員の発言内容

 西森潮三議員(自民) 「丸の内高の音楽科を残すと11月5日の教育委員会の臨時教育委員会で決まったということだが、外から眺めていると廃止するということになったら反対が起こる、そういう声に教育委員会が腰砕けになったのではないのかという気がする」
 「丸の内高校の音楽科をどんどん伸ばそうというなら、今までに成果が十分にあって、音楽でも丸の内といえば、それほど幅広い分野の先生が居るという話も聞いていないし、本当にそういうことが必要なのか。あるものをやめる時には必ず反対が出る。将来の学校の動向、社会のニーズを考えて教育委員会の事務方としては分析検討の結果ひとつの方向を出していたと思う。その中で反対もでるだろう。将来、生徒がどんどん減っていく状況の中で、ここがやらなくても私学も色々あるわけだから、県立高校としては軸足をしっかりしないと、ちょっと反対が強かったら、腰砕けになってへなへなになって、また元通りにしますということでは、ちょっとおかしいという気がする」
 
 森田英二・総務委員長(自民) 「9月議会でも高校改革の方向性を委員会に説明をいただいた。私たちは県民の代表。所管の課が何年もかかってこれがベストと聞いた。それが2回か3回の教育委員会の6人が聞いたぐらいで、根こそぎ変わる、方向が転換するような、浅はかな練り方やったのか。これでいきたいから協力を願うとまで言っておいて。主管の委員会に、どれほどの意識で説明をしているのか」
 「教育委員会を臨時含めて何回かやられて、傍聴の方がいて、当事者が周辺にいて何回か会をすると、コロっとかわるというその意識はどういうレベルにあるのか。我々の委員会はどれほどの位置づけで話をしているのか」
 「マニアか趣味かわからんような人が、ちょっと言葉きついが、そういう人が残してくれという話では、今後10年間に39校を31校にする。影響が非常に大きい学校の灯を消すところまで議論をしていかなければならんのに、関係者がきて涙ながらに訴えて、新聞投書をして、請願署名を持ってきたら、県の意見が変わる。そんな話では所管委員会としても、執行部の説明内容にこれからも疑義を持つ」
 「腹据えてやってくれんと、これからは学校の灯を消す、今後は普通高校の灯も消していかないかん説明をせんといかん状況。こんなマニアといったら大変失礼かも分からんけど、音楽をしたいから残してくれと、そんな話に迎合していたら、我々はどこまで信じて執行部を応援したらいいのか、議論をどこまで真剣にしてきたのか、疑念を持たざるを得んし、真剣に応援したい気持ちでいたが、ずいぶんと今回の決定の経過については、悔しい思いを持っている」
 「総務委員会としては承服しかねるというところにまだ腹がおるので、その分はお含みをいただきたい」

 森雅宣議員(自民) 「総務委員会に決定権がないことはない。学科を設置するときには予算が出てくる。委員会で認めないかんきほら。認めんがじゃき、決定権がないことない」
 「まあ認めんということじゃき、認めんということで」