西森潮三県議(自民)が政党支部をトンネル化して献金集め 脱法的手法

                                          2002年11月24日


 公共事業を受注する企業の自民党への企業献金が、政治を歪め腐敗の根源になっていることへの国民的な批判の高まりの中で2000年1月から、資金管理団体(※政治家本人が代表になった献金の受け皿団体)への政治献金が禁止され、政党支部への献金に限られることになりましたが、自民党と土建会社の癒着構造は依然として温存されているのが実態です。県内の自民党議員の中で最も露骨な脱法的手法で献金を集めている西森潮三県議のカネ集めの実態をレポートします。

 西森県議は毎年1000万円近い企業団体献金を集めており、高知県の自民党県議の中で最も高い集金力を持っています。2000年に西森県議に献金した企業団体の上位には、四国電設資材卸業共同組合高知支部100万円、四国土建80万円、全国道路標識・表示業協会高知県協会60万円、鉄建建設50万円、銘建50万円などが続きます。
 県議会で西森議員は名うての開発推進議員として知られています。日高村柱谷地区への産廃建設への批判が高まり、自民党でさえ柱谷への設置に反対した時でも議会で唯一、柱谷への早急な建設に固執して執拗に食い下がったのが西森議員でした。他にも工業団地の造成、県庁の改築など質問するたびに開発・ハコ物の建設を執行部に迫る急先鋒の役割を果たしています。
 公共事業を請ける地元の企業から多額の献金をもらい、質問で公共事業の拡大を迫る。「ムネオ型口利き型政治」、今日の政治の問題展が凝縮されています。

 ■政党支部を乱立

 2000年1月から政治家に特定の企業団体から献金が渡ることを防ぐというふれこみで法律が改正され、資金管理団体への献金は禁じられ、受け皿は「政党支部」に限られることになりました。
 西森県議の資金管理団体である「新経済研究会」も2000年からは土建業者から、直接献金を受けることはできなくなりましたが、代わって出てきたのが、「自民党高知県高知市第一支部」という政党支部です。
 「高知県高知市第一支部」の資金の流れを見れば、西森議員の集金用に便宜的に作られた支部であるということは一目瞭然です。
 これまで高知市の自民党支部は、衆院高知1区に対応した「高知県第一選挙区支部」がありましたが、これは福井照衆議院議員の集金用の支部なので、西森議員が金を集めるにために、新たに作られた支部です。ちなみに「高知県高知市第2支部」というのは三石文隆議員の集金用支部です。

 ■資金の流れ

 西森県議の資金の流れを追ってみました。
 2001年 高知県高知市第一支部
 
収入 土建会社など27社から献金910万円、自民党の上部団体から寄付88万800円、合計約998万800円。

 支出 新高知市政治経済研究会へ750万円、西森潮三三十日会へ70万円、西森潮三の会へ180万円の寄付。計1000万円。

 2000年 高知県高知市第一支部

 収入 献金26社から875万円。上部団体から150万円。合計約1千25万円。
 
支出 新高知市政治経済研究会へ700万円、西森潮三三十日の会20万円、西森潮三の会へ250万円の寄付。計970万円。

 支部に集まった1000万円近い献金は、西森議員の資金管理団体や後援組織に全額きっちり還流されています。支部は金を集めるための単なるトンネル。政治家と企業の癒着を防ぐために献金先を支部に限った法改正の精神を踏みにじる脱法的なやり口です。
 では献金先が政党支部に限られる以前はどうか。

 1999年 新高知市政治経済研究会

 収入 29社から960万円、個人235万円の献金。合計1千950万円。

 1998年 新高知市政治経済研究会

 収入 28社から960万円の献金。自民党県連から50万円の合計1千10万円。
 
 金の入り口が違うだけで、結局は西森議員のところに土建会社から1000万円近い献金が集まる構図はいささかも変わっていないということが分かります。
 このように献金が政党支部に限られたので政治家と企業の癒着が防げるという議論はまったく実態にあっていません。少なくとも公共事業を受注している企業からの献金を全面禁止するしか、解決の方法はありません。