高レベル放射性廃棄物最終処分場の誘致の是非をめぐる町長選で当選した沢山保太郎・東洋町長の後援会長が、沢山町長を批判するビラを出したという記事を9月2日号に掲載したのだが、反応がすごかった。以前から沢山氏の言動を知っている人からは「もめるのは当たり前。町長が務まる人間ではない」、沢山氏をよく知らない人からは「うまく行っていると思っていたので驚いた」という声、また「『反核』町長を引きずりおろすつもりか」というクレームもあった▼中でも、最も強烈に反応したのが沢山町長本人。電話取材に対して「なぜあの記事を載せたのか釈明しろ、他にも怒っているのがたくさんいるぞ」と威圧的にすごみ、沢山町長が自ら書いているというインターネット上のブログ「ヤスタロウの東洋町日誌」に記者・中田の個人名を9回も出して攻撃している▼東洋町教育委員会は教育長を決めることもできず不在のまま、町長が議会質疑での町議の発言を名誉毀損として200万円の損害賠償を求め裁判を起こし、前出のビラに対しても町長名で「声明」を発表し「きびしく処罰される可能性がある」とこれまた町民を脅す・・・。このような異常な行動を繰り返す町長に対し「東洋町はどうなってしまうのか」という不安が町民に高まるのは当然だろう▼最終処分場誘致については、東洋町には核廃棄物持ち込み禁止条例と住民投票条例ができ、後戻りすることなどあり得ないが、今後起こるであろう他地域でのたたかいで「反対派が勝ったらえらいことになる」という事例として東洋町の混乱が使われることは目に見えている。むろん東洋町の舵取り役である町長をどういう人物にするのかを決めるのは町民自身である。その選択をじっくり注視したいと思う。(ひ)