7月29日に投票される参院選の応援に自民党中央の幹部が安倍首相を先頭に続々と高知入りしているが、中川秀直幹事長と麻生太郎大臣の話を間近に聞く機会があった。日本国の舵を握る最高指導者たちが、何を国民に訴えるのだろうか。興味津々で演説会場に出かけたが、その期待は見事に裏切られた。あまりにも程度が低すぎる▼まず中川幹事長。前日の台風を意識して「自民党」の刺繍の入った糊のきいた防災服と、ピカピカのゴム長で現れた。幹事長は「景気の波は確かにまだ高知まできていない。与党が過半数を割って政治不安になれば、景気の波は消えてなくなり高知に景気の波はこないまま終わる」と恫喝まがいの発言。そして「毒舌」で知られる自民の選挙区候補が、幹事長が退席したとたんに「だまされたらいかん」と猛烈な中央批判をはじめ、まるで「責任者出てこい」というぼやき漫才を見るようであった▼しかし中川幹事長はまだマシだった。麻生大臣に至っては「ナマ麻生見たことある人手を挙げて」という軽薄極まりない導入で始まり、「奥さんの趣味で行こう。安倍さんと小沢さんの顔のどっちが趣味?」。しまいは「100点満点の亭主、妻は存在しない。欠点はある。よそよりマシだと思って辛抱している。政党に100点満点などない」。みのもんたのように軽妙であるが、不真面目な開き直りに終始した。何も国民は100点がとれていないことを批判しているのではない。及第点に達しない「不可」であることに怒っているのに▼これが一国を代表する大臣、まして次期総理を嘱望されている人物の言うことだろうか。こんな下らないことを言うためにわざわざ高知まできたのか。高知の有権者も馬鹿にされたものである。こんな連中に審判を下し、まじめに政治を考える候補を当選させなければという思いを強くした。(ひ)戻る