穴吹工務店が購入し遺跡をつぶす計画が進行している、高知城北曲輪の史跡化を求める県議会への請願。圧倒的な賛成多数で可決されたのであるが、この中で強く印象に残ったことがあった▼公明党の池脇純一議員は紹介議員になっていたにもかかわらず、総務委員会で同党の黒岩正好岩議員が反対し、本会議では池脇議員は賛成、他の2人は反対に回ったのである。池脇議員が紹介議員になったのは、おそらくは丸ノ内に住んでいる同党の前高知市議に頼まれたので断り切れなかったのではないかと思われるが、見事に前市議は裏切られた形になった。請願の趣旨に賛成できないのであれば、その旨を述べて紹介議員を断ればいいのである。それが民主主義というものだろう▼片や高知市議会の経済文教委にも同趣旨の請願が出されていたのだが、公明党の新人議員が紹介議員になっていたにもかかわらず、委員会採決では可否同数となり、同党出身の委員長の反対で否決されてしまった。公明党の果たした背信的役割は決定的であった。先輩前市議の心中はいかばかりであろうか▼この話にはまだ続きがある。6月29日の高知市議会本会議で、請願が採決に付されたのだが、公明党は紹介議員になった新人1人だけが賛成し、後の7人は全員反対した。これだけではない。新風クラブは、会派の政調会長を務めるベテラン議員が紹介議員になっておきながら、本人も含めて11人全員が反対し、この請願は否決された。市民が議員控え室に訴えに来た時には断り切れないので「よっしゃ、よっしゃ」と紹介議員を引き受けておきながら、後でコロっと態度を変えるようでは、市民は何を信じればよいのだろうか。(ひ)戻る