公明党の副幹事長を務めた福本潤一参議院議員(比例)が、候補者から外されたことを不満として離党したというニュースが流れた。福本氏は愛媛大学の元教官で当選2回。四国が地盤だったので高知の創価学会員も過去の選挙では福本氏のために懸命に選挙活動をしたはずだ。58歳なのでまだ辞める歳ではないし、公明党の定年制(任期中に65歳を超えない)にも該当しないので確かに外されるのは不自然である▼公明党の国会議員の候補者は誰が決めるのか。竹入義勝・公明党元委員長は1998年に「朝日新聞」に連載した手記で「委員長を引き受ける時から人事権は学会にあると明確にされていた」と述べている。つまり池田大作氏の一存で決まるということだが、竹入氏は本当のことを言ったばかりに、これ以来、池田氏に弓を引いた「仏敵」として尋常でない攻撃を学会から受け続けている。福本氏も同じ運命をたどることになることだろう▼候補を外れた理由について公明党は「健康上の理由」と述べているが、福本氏と面談した民主党の鳩山由紀夫・幹事長は会見で「秘書の親戚の葬儀が批判されたから」と公言した(マスコミ報道ではカットされている)。おそらく学会指定の「友人葬」をせず、日蓮正宗の坊さんを呼んだのではないだろうか。友人葬とは、僧侶ではなく、学会員が南無妙法連を読経するというものだが、宗教団体としては根幹にかかわる弱点であり、それだけに学会がナーバスになる問題であるが、これが事実ならば究極の政教一致だ▼その一方では今年79歳になる草川昭三氏は、引退と言われていたにもかかわらず比例代表から出馬する。任期満了時には85歳。公明党の定年制というのもかなりいかげんなものである。(ひ)