良い記事を書くためには、とにかく現場に足を運べと言われる。現場では役所の本課の管理職のスマートなコメントとは違うナマの情報を得ることができる▼故に閉鎖的な役所は現場担当者に直接取材することを極端に嫌う。典型的なのが警察と自衛隊。広報というスポークスマンが中に入り、コントロールした情報しか出さない。逆に市役所などは「細かいことは現場に聞いて」と、どんどん現場を紹介してくれる▼だが高知市にも警察・自衛隊と同じような対応をする職場がある。それが同和対策関連部署。「下手なこと言うたらおおごと」という感じがありありで、管理職以外に何を聞いても回答しない。ある「市民会館」の館長に館の見学を申し入れた時も、館長が本課に「民報に見せてもよいか」と本気で断りを入れるほどである。市民が利用できるる施設ですらこの有様、他は推して知るべし▼「児童館」も児童福祉法に定められたオープンな施設のはずだが、ここの指導員に聞き取りをするのも一苦労である。木で鼻をくくったように「本課に聞け」と言われ、敵意剥き出しに食ってかかられたことも何度もある。大昔ではない、現在進行形の話である。「児童館」指導員は、一部団体の専従ではなく、税金で雇われている市職員。何を勘違いしているのか。市教委は古株の指導員に頭が上がらず、手を焼いている様子も垣間見え、「指導員に直接当たるのはやめてくれ」と度々言ってくる。これこそが今日の児童館と高知市の同和行政の問題点の縮図だ。これも直に取材したからこそ引き出すことができる情報であり、やはり現場の取材は大切だ。やめろと言われて「はいそうですか」というわけにはいかない。 (ひ)