高知県漁業信用基金協会への高知県の出資金は、橋本県政が部落解放同盟に屈服した歪んだ同和行政の「闇」を今も引きずっているものであるという「疑惑」を調査してきた県議会産業経済委員会に設置された百条委委員会の最終報告が2月22日の県議会で賛成多数で承認された。「伝家の宝刀」といわれる百条委の調査結果として県議会が「疑惑」をクロ判定をした極めて重大な内容なのであるが、商業新聞各紙の扱いはどのようなものだったか▼この問題の「仕掛人」であり、一貫して「闇保証疑惑」と意味ありげな大キャンペーンを張り続けた「高知新聞」は同日夕刊で「見返り出資を“認定”」と見出しを立てた。認定に付けられた括弧は何を意味しているのか。真意は分かりかねるが、いかにも自信なさげな印象は否めない▼全国紙の地方面はどうか。「読売」は見出しなし。県議会全体の記事の中でサラリと触れる程度。「朝日」は、「出資金は保証の見返り」と報告の内容を記述する一方で「意見の違う証人を呼ばないなど、結論ありきだった」という反対意見や橋本知事自身の「ご指摘の疑惑はない。私を百条委に呼んでいただければよかった」とのコメントで締めくくる。「毎日」に至っては完全無視。仕掛け人の高知新聞でさえ及び腰、全国紙からは「茶番につき合いきれない」というニュアンスが行間からにじみ出る▼取材する記者は目の前で「疑惑」があるという側が、真実解明にフタをして多数決で証人尋問まで拒否する光景を見ている。先入観なく通常の感覚で見れば、多くが「つき合い切れない」という感覚を持つような委員会でしかなかったということに尽きる。とにかく何もかにもが軽い百条委であった。(ひ)