最近、身の周りで立て続けに駐車違反で「捕まった」ので、新しい駐車違反取り締まりについて考えさせられた。違反をするからいけないと言われればそれまでだが、車の窓にべったり貼られたあの黄色い紙のショックは大きい。そして反則金。たった数分で15000円は痛い▼駐車違反のことを正確には放置車両と呼ぶらしいが、以前は警官が放置車両を確認してから10分程度してから取り締まっていたし、ミニパトが「運転手さんいませんか〜」などとアナウンスしていて、取り締まる側もまだのんびりしていた。しかし新制度では放置車両を確認した瞬間にアウト。デジタルカメラで写真をとり確認標章という黄色い紙に車のナンバー、時間、住所などをサッサと書き込みペタ。所要時間わずか3分で15000円の「売り上げ」だ。監視員は徒歩でまわっていることもあるので神出鬼没。あっという間に貼りつけて消えていく▼実はこの新制度は、矛盾に満ちている。新たに車の所有者(使用者)の責任を問えるようになったのだが、逆に言うと運転者は不問に付す制度になった。反則金を払うのは原則所有者で「運転者が出頭した場合は払わなくてもよい」というシステムなのである。警察は面倒な運転者の特定は必要はなく、特定できようができまいがいずれにしても反則金はとれる▼すごいのは正直に運転者として警察に出頭すると反則金に加え1点減点されるが、出頭しなければ反則金は同じだが減点なしというところ。すなわち「捕まって」も納付書が郵送されてくるまで放っておけば、警察に出頭する必要もなく、点数も引かれず相当「お得感」がある。最近は8〜9割が出頭しないといういうが当然だろう。結局は、取り締まりは民間委託でどんどんやる代わりにビジネスライクにお金で解決しましょうよという意味なのであろうか。 |