今春、高校に入学する子供が「携帯電話がほしい」と言う。高知県教委の調べでは高校生の87・5%が携帯電話を所持しており、しかたないなと思っていたが、ひっかかるところもあるので、少し勉強してみてのだが認識を新たにした。まず「携帯電話」を親は「電話」と思っているが、実は「携帯電話」は電話ではなく、「電話機能付きインターネット端末」なのである▼親が携帯電話を子供に持たせる理由は「安全のため」がダントツだと思う。確かにNTTが公衆電話を撤去していることもあり、帰宅時間が遅くなる時など携帯電話がないと子供と連絡がつかないという実態がある。公衆電話を撤去しておいて、携帯電話を売りつけるようなNTTの商法は許し難いが、それはさておき、連絡用であればインターネットは必要なく「電話」で事足りるはずだ。しかし、多くの家庭は、そのあたりをよく理解しないまま無造作に「携帯電話」を与えているのではないだろうか▼このようなことをしているのは世界中で日本だけで、アメリカでは親が管理できないインターネット環境を子供に与えてはいけないという社会的合意がある。日本では自転車だろうが、食事中だろうが、勉強中だろうがのべつ幕無し「携帯」というような依存症的状態が見かけられる。これは子供ばかりを責めるわけにはいかない。似たような大人も多いが、まして判断力の乏しい子どもに高機能なインターネット端末をポンと与えている親の責任は重い▼毎月1万円にもなろうという電話料金も高額にすぎ、高校生の遊びとしてはバランスを欠いている。結局、我が家では携帯電話は電話機能だけに制限し、メールはパソコンでということにした。これがベストな選択かどうか自信はないのだが、少なくても家庭で親が勉強して、「みんな持っているから」ではなく、使い方のルールをよく話し合うべきだと思う。
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