最近、ガソリンが値上がりしている。リッター130円程度だが、数年前は90円台だったことを考えればかなりの上昇率で、影響は大きい▼石油の値段はアラブの産油国とアメリカの動向で決まる。高騰の背景には夏にアメリカ南部を襲ったハリケーンとともに、世界的な供給不安があると言われている。石油は遠くない将来必ず枯渇する。アメリカは世界の石油の4分の1を消費する最大の石油消費国で、アメリカ人はインド人の27倍も石油を使っている。石油がなくなればアメリカの天下も終わる▼アメリカが膨張を始めて60年。一時的に勃興した大国が没落するのは古くはローマ、元に始まり、ヒトラードイツ、日本帝国主義、ソ連邦など枚挙にいとまがない。アメリカもいずれ同じ運命をたどるが、問題はアメリカに唯々諾々と付き従うだけの日本外交である。親亀が転けた時にどうするつもりか▼石油がなくなれば大都市の人々は惨めなものである。最後に頼れるのは農村しかない。農村は食料や水の供給源であり国家の生命線だ。この生命線を次から次へと破壊していく小泉政治は、まるで日本の国力を削ぐことを目的にしたアメリカの工作員の仕業としか思えない究極の売国政治。その点欧州や中国はしたたかで、アメリカが転けたあとを展望して力を蓄えている。真の愛国者なら将来を見越して農村を強める施策を打ち出す時であり、今の日本政府の施策はまったく方向が逆だ▼最近日本のナショナリズムが高揚しているように言われたりするが、矛先はアジア限定で、アメリカには絶対向かないよう去勢されている。日本にはなぜ真の愛国者が少ないのか。ガソリンのレシートを見てこんな事を考えた。
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