「解同」県連が強力に設立をプッシュし、それに応えた県が湯水のように公金を注ぎ込んだ協業組合「モード・アバンセ」へのヤミ融資事件で背任罪を問われた元副知事や元商工労働部長らにきびしい実刑判決が高松高裁で下された▼当時「百条委」を取材した自分の中でも正直かなり記憶が薄れていたので、思い出すため過去の記録をめくってみた。2000年2月県議会。印象に残っているのは梶原守光県議が「高度化資金」の土地造成費が暴力団関係者に流れていたことを総務委員会で暴露したこと。この一撃が流れを変え、予算に計上されていた融資継続を凍結させ、百条委員会を設置させた。ターニングポイントだった▼当時の橋本知事の認識は鈍く、融資継続の必要性を主張し、百条委に黒塗りだらけの資料を出し県民から痛烈な批判が起きたことをよく覚えている。知事を変化させたのは告発も辞さない断固とした百条委の姿勢だった。その後の橋本県政の県政改革の前進はめざましく、すべての念書を公開、同和団体との交渉はオープンにされた。ここまで徹底しているところはおそらく全国にもないだろう。翌2001年度当初予算では、同和団体補助金廃止をはじめ大胆に同和対策終結にすすむ。日本共産党はこの年以降予算に賛成するようになる▼「風化させない」ために何を教訓にすべきか。行政の徹底した公開は当然の前提として、明らかに回収不能であることが予想される事業に公金を投入することは行政の裁量権をもってしても許されないということではないだろうか。行政が甘い見通しを立てて安易に公金を投入することは許されないということ。再び同じ轍を踏むことは決してあってはならない。
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