高知市観光課で課長補佐という幹部職員が726万円を着服していた事件は市役所に激震を走らせた。下手すると岡崎誠也市長の責任にもつながりかねない風雲急を告げる急展開に目が離せない。市議会は同問題を調査するための特別委員会を設置し、調査を始めた▼特別委には各会派から13人の委員が出ているが、12日の第1回目の会議で、委員長より目立って会議をリードしていたのは誰であろう、民間保育園を経営する社会福祉法人の理事を務め不正に集めた「自由契約児」の保育料を使って韓国やグァム島への海外旅行、数多くの宴会に無料参加していた大スキャンダルの中心人物だったベテラン・O公明党市議だった。あれから一年経っていない。開いた口がふさがらないとはこのことだ▼公金横領や不明金が続発する究明を徹底的にやるのはどの会派であれ当然であるが、本当に解明するつもりなら、後ろ指をさされるような人選はできないはずではないか。公明党市議団には8人も議員がいるのに、O氏ではまずいのではないかという声は、でないのだろうか。そのような感覚すらないのか、思っていても言えないのか▼保育園の事件で執行部は市議が自分の親族を自由契約児として安い保育料で入所させていたことなど肝心な事実を明らかにせず、実質的にO氏たちをかばった。Oは執行部にずいぶん借りができたはずだ。12日の委員会でO氏は執行部に説教を垂れる一方で「百条委員会は必要ない」など早期幕引きへ誘導するとも思える動きを早くも見せている。彼らに事件をどれだけ解明するつもりがあるのか。執行部に「借りを返す」つもりなのか。動向をよく注視していかなければならない。
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