高知市は県がすすめる日高村のエコサイクルセンターにキレの良い発言をする一方で、自ら抱えるはりまや橋からかるぽーとへの高架橋「土佐橋」(工事費25億円)には相変わらず執着する姿勢を崩していない▼財政難の中で一時凍結されている「土佐橋」だが、高知市の言い分こうだ。@はりまや橋近くにバス駐車場がないので整備するAはりまや橋方面とかるぽーととの歩行者の往来を信号待ちや自動車に煩わされずできるよう歩行者専用の高架遊歩道をつけるBバス停車帯を設け交通渋滞の緩和と交通安全を確保。高知の玄関口とするCはりまや橋と、かるぽーと内にある横山隆一記念まんが館を高架遊歩道でネットワーク化D中心市街地のにぎわいをとりもどす。このために平成19年度から事業を再開するというのである▼@とBについては納得出来る点はある。すでに買ってしまった土地の利用としてもこれならば市民の納得も得られやすいのではないだろうか。問題はAとC。なぜ莫大な費用をかけた高架なのか。観光客は信号待ちが煩わしくてかるぽーとに足を向けないのではない。客をひきつけるだけの魅力に乏しいだけである。Dの高架ができれば商店街に客がくるというのもピント外れだ▼大都市のような高架遊歩道を設置すると歩行者は上がったり下がったりで大変だし、高架橋の下は薄暗く排ガスがたまる。巨費を投じて不快で危険なスペースを「一等地」につくる皮肉な結果にもなる。@やBの平面的整備なら、金はそれほどかからない。かるぽーとへ人の流れを誘導したいなら地上の歩道整備で対応すればよいのではないか。エコサイクルセンターの市民の視点に立った議論をこちらでも発揮してほしい。
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