スマトラ沖大地震がもたらした空前の大惨事は津波の恐ろしさをまざまざと世界中に見せつけた。英和辞書にも津波は「TSUNAMI」とあるが、テレビでも被災地の人が「TSUNAMI」と言っていた。日本は古くからの「津波大国」であることを実感させられた▼とりわけ太平洋に面した長い海岸線を持つ高知県の住民として緊張感を持って被災報道を受け止めた。瓦礫が散乱したインドネシアやスリランカの映像は、昨年10月に室戸市を襲った高波被害の現場とだぶって見えた。室戸市に限らず、高知県には海岸線すぐ近くに住宅が密集している地域がところが多い。遠くない将来、高知県を襲う「南海大震災」では多くの家屋が地震の揺れとともに津波の被害を受けることは明らかだ▼被災者の生活の根本である住宅再建を国が支援する制度を確立することは国民共通の切実な課題として求められている。昨年12月の国会では民主・共産・社民の共同で個人住宅を支援するための法改正が提案されたが、自民・公明の反対で廃案にされた。その急先鋒が衆議院高知1区・建設省OBの福井照代議士であることをご存じだろうか▼福井氏は衆院災害対策特別委で質問に立ち、脂下がりながら「国が個人住宅へ支援すると、耐震工事をする自助努力を阻害する」などという元官僚らしい屁理屈で、個人住宅への国の支援を頑迷に拒否していた。一体この人物は何をしに国会に出ているのか。選挙の時は「防災対策の推進」などと言うが実態はこの体たらく、来るべき震災に備えるためにも、このような高知県代表の実態をもっと県民に知ってもらって、交代していただかなければならない。これこそが重要な震災対策になると思う。
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