「必ず帰ってきます」と言い残して県庁を後にした橋本大二郎氏が、再び帰ってきた▼選挙での松尾徹人陣営の金・人に糸目を付けない物量作戦は圧倒的だった。自民党は武部勤幹事長、麻生太郎総務大臣、谷垣禎一財務大臣、小池百合子環境相、安倍晋三幹事長代理、石原伸晃衆議院議員、舛添要一・衆議院議員ら、公明党は冬柴鉄三・幹事長、浜四津敏子代表代を投入して橋本県政打倒に血道を上げた▼彼等は自らが進めている政府与党の「地方切り捨て」を棚に上げ、「高知の経済が悪いのは知事が悪いから」「『共産県政』では金がこない」などというデタラメな主張を洪水のように垂れ流した。橋本県政が「ニワトリからアヒル」のように政権与党の障害物に成長したため本気で排除にかかっていることを実感させるものだった▼一部報道機関の執拗なネガティブキャンペーン、雑誌や謀略本、「北朝鮮に送金している」などという荒唐無稽な口コミまでありとあらゆる謀略的な作戦がとられた。自民党の最高幹部は「松尾知事になれば交付税が減額されないようにする」とまで言ったようだが、それでも県民の判断は揺がなかった▼日本共産党は橋本県政の継続発展へ独自の立場で多くの県民と共同して力を尽くした。もちろん白紙委任ではなく、これまで以上に良いところは大いに伸ばし、批判すべきは厳しく批判して切磋琢磨していくことだろう。これからの県政に苦難の道が待ちかまえていることは誰が知事であろうと明白だ。橋本氏が選挙中に訴えていたように、県民の中に深く入り、国に地方の主張をぶつけていく姿勢を徹底的に貫いてもらいたい。その方向でこそ新しい政治のカタチ、展望が生まれていくのではないだろうか。
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