県が購入する「高野切」との相乗効果が期待されるNHK大河ドラマ「功名が辻」であるが、主な舞台は土佐ではない(原作では土佐藩に舞台が移ると話が暗くなる)にしろ、高知県への波及効果はかなりのものがあるだろう。機先を制するスピーディな対応をしなければならない▼「大河ドラマ」効果を実感したのは2年ほど前、金沢で「利家とまつ」をネタにした「加賀百万石展」を見た時。石垣しかなった金沢城の一部を復元した(といってもかなり大規模)会場には行列が続いていた。金沢は高知とは格違いの一級の観光地だが、高知には高知城の天守閣や追手門が現存している圧倒的強みがある(これだけルックスが整っている城は全国でも珍しい)。工夫次第で県外客を呼び込むことは可能だ▼「加賀百万石展」の客の一番の関心は加賀藩の歴史より、松嶋菜々子がドラマで着た衣装だった。嘆かわしい気もするが、ここは割り切って高知でも仲間由紀恵が着た衣装でも貸してもらい、丸の内緑地あたりに再現するであろう「城下町」とともに展示スペースを作ればよい。ドラマのタイトルバックに高知城を映すのは是非やってもらいたいし「絵になる」と思う。同時に予告の後で流す数分の名勝紹介のスポットも重要だ。この効果は絶大で、CM料に換算すれば莫大なものだろう▼さて我が「高野切」であるが、集客力を疑問視する向きもある。確かに地味だが、秀吉との関係を掘り下げれば、もっと面白みが出るはずだし、話題作りに生かせるか、「高知に行きたい」という動機に結びつけられるか否かは活用側の知恵次第。ホンモノという強みを生かして、買った以上は有効活用し断固「元を取る」。県民的に知恵を出し合いたい。
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