9月県議会で知事の辞職勧告決議が可決され、橋本大二郎氏は即刻辞表を提出。11月末には再選挙が行われる見通しとなった▼意表を突いた辞職再選挙には、辞職勧告決議を出したほうが慌てた。「警告決議」程度の意味合いでお茶を濁し、知事に傷を付ければそれでよしと思っていたが、あてが外れた。如実に物語っていたのが橋本氏が辞任した翌日の地元紙社説で、「拘束力のない勧告になぜ辞職するのか」と、さんざん反橋本キャンペーンを張ってきたとは思えない腰砕けだった▼日本共産党は橋本県政継続へ力を尽くすことを明らかにしているが、橋本氏の政策をすべて支持するものではないだろう。とりわけ市町村合併への態度や義務教育費国庫負担金廃止問題への対応などは認めがたいものがある。しかし問題の根源は自公政権の地方切り捨て、交付税カットであることは明白で、これらの国の悪政に立ち向かうというベースの部分では一致している。対処の方法では不一致点はいろいろあるが、それは意見を戦わせていけばよい▼辞職勧告の賛成討論で反橋本の急先鋒の自民県議は「県経済の停滞は橋本県政の失政だ」と性懲りもなく言った。県民を苦しめているのは自民党の政治である。自民党議員が橋本氏を批判するとは片腹痛い。天に唾するものということがなぜこの人達には分からないのか。また、どうしてそういうことになるのか分からないのだが、自民党は橋本氏を「共産党の言うことだけを聞く知事」と真剣に思いこんでいる節がある(ホントにそうなら苦労はない)。こんな視野狭窄の面々にコントロールされる県政が復活してはたまらない。橋本氏には必ず知事室に戻ってもらい、打打発止の議論をしたいものだ。
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