厚顔無恥。広辞苑には「厚顔」は「面の皮の厚いこと、あつかましいこと、鉄面皮」、「無恥」は「恥を恥とも思わないこと、恥知らず」とある。9月高知市議会の質問ををこの言葉で締めくくった保守系議員がいたが、文字通りの光景がこの議会では繰り広げられた▼4月に発覚した江の口保育園の自由契約児問題。保護者から保育料として集めた金で公明党と新風クラブの市議2人らが、タダで海外旅行や宴会に参加していた事件だが、張本人の公明党古参市議が会派のトップバッターとして本会議質問に立ち、市職員の不祥事を追及した▼この公明市議は外部監査報告で指摘された職員の不祥事に「驚くべき指摘が羅列している。まさかこれほどとは思っておらず情けない思いで一杯だ」と嘆き、岡崎市長の答弁を「従前の認識とまったく変わらない緊張感にかける悠長な発言。なぜ陣頭に立って緊急体制をとらないのか。市政と市民の信頼関係の確立は最も求められる」とやったものだから「お前にだけは言われたくない」というブーイングがあちこちから聞こえてきた▼「情けない」のはこっちのセリフ。親が子供のためにと懸命に払った金で海外旅行に宴会。発覚したら返して済。職員が不正をすればいくら金を返しても免職になるのに、市議ならウヤムヤにできる。力の強い者が特別扱いされる体質が、市政への信頼を失わせる最大の原因ではないのか。天に唾するとはこのことだ▼普通は事件発覚から2〜3カ月程度で当事者がノコノコ出てきて説教を垂れたりできないものだが、そこが公明党・創価学会の「面目躍如」、すごいところ。彼らが世間の常識とかけ離れた価値観で動いていることがよく分かる出来事ではあった。
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