小泉首相が来るというので中央公園の自民党演説会に出かけてみた。3年前と同じように、この日もカンカン照りだった。首相は腕まくりでさっそうと現れた。一部高齢の女性、若い女性に頬を紅潮させる人もいたが、前回の熱狂的な盛り上がりとは比較にならない低調ぶりで、演説内容も想像以上に不真面目なものだった▼首相は本当に言葉が軽い。「ハルウララは負けてもいいが森下さんは負けちゃダメだよ〜」。聴衆へのリップサービスを織り交ぜながら「民間にやれることは民間に」と「改革路線」堅持を強調。自衛隊の多国籍軍入りについて「多国籍、入籍しても、日本籍」という川柳を紹介して(まったくウケなかったが)悦に入る▼演説のキーワードは「やる気」だった。彼が言うには「日本経済に明るい兆し」が見えているそうだ。株はまだまだ上がるし、政府の見通しを上回る経済成長率、税収の増加、失業率低下と高知県の実態とはかけ離れた「景気のいい」話ばかりが飛び出したが、それができたのは国民が「やる気」を持って耐えたからだそうだ▼中山間地域では過疎地が切り捨てられるという不安が強い。この声に首相はきちんと答えなければならないが「地方にもいろいろいいところがある。土佐は恵まれている。風景、よさこい祭り。特色を出して、やる気を出せば必ず復活できる」。酔客の戯言ならいざ知らず、日本国首相が有権者に語る発言なのだから驚く。結局地方など、その程度の認識でしかない。「やる気がないからダメなのだ」。同党の選挙区候補は県民の批判を受け「小泉改革」反対のようなポーズもとるがまったくの詭弁だ。このような政党、この党以上に道州制に熱心な党への投票は亡国への道でしかない。(2004年7月11日)
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