土佐山田町が県内最大の建設会社名誉会長、圧倒的部数を持つ地元紙社長、自民党ボス県議らが経営するゴルフ場のツケ4200万円をヤミ立替えしていたという記事は反響が大きかった▼この構図、どこかで見た光景だ。県を土佐山田町に、モード・アバンセを土佐山田ゴルフ倶楽部に、部落解放同盟を建設会社・地元紙・自民党県議に置き換えると、県庁を揺るがせた闇融資と役者が違うだけでシナリオはまるで同じ▼どこからか「ヤミではない」という反論らしきものが聞こえてきた。どうやら町議会で「立替え延長を求める」陳情が採択され、行為の一部が議員に明らかになったので「ヤミ」ではないということらしい。「ヤミ・闇」を岩波国語辞典で引いてみよう。@夜暗いこと、A正規の手続きによらない取引、B思慮・分別のない状態とある。闇金、闇市など公然と行われる闇行為もある。今回のケースもまさに正規の手続きによらない取引だ▼いくら議会が陳情を採択しても、執行部には内容を吟味して独自の判断をする責任と権限がある。支出の根拠もなく、具体的な議会承認もないまま、結果的に町民の税金を特定企業に注ぎ込むことはヤミ・闇としか言いようがない▼こちらが世間知らずなだけかもしれないが、報道機関のトップが建設会社や自民党県議と肩を並べてゴルフ場を経営していたことは驚きだった。ジャーナリズムとは、このようなものとは対極にあると思っていたのだが、甘かったらしい。それにしても、あれだけヤミ融資や橋本知事の選挙資金疑惑を追及してきた地元紙である。当然、今回の問題については土佐山田町民に「説明責任」が求められる。それともこちらも「不関知・不関与」ですか。 (2004年6月20日)
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