今年の正月は天候に恵まれて穏やかな日が続き、各地の観光地や初詣には人手が多かったという。9連休になる絶妙な休みの配置、「困った時の神頼み」もあっただろうが▼一方で雨が降らないと困るのが水不足である。県は8日、「鏡川渇水対策における自主節水について」という呼びかけを発表した。鏡ダム上流域(土佐山村平石)における12月の降水量は51ミリ、平年値(昭和42年〜平成15年の37年間の平均値)61・5ミリに対して10.・5ミリ少なく、1月に入ってからの降水量は0ミリで、このまま降雨のない状態が続いた場合、1月下旬に利水容量を使い切ってしまうという▼本号が配達される頃の状況は分からないが、当分まとまった雨は降りそうもない気配である。ここはじっくり構えて節水を心がけなければばならない。そこで、とりあえず洗車をやめることを提案したい。日本人全体がそうなのだが、とりわけ高知県人は節水意識に欠けるのではないか。数年前の大晦日には、行政が懸命に節水を呼びかけている傍らで、平気でジャブジャブ車を洗っていた高知市役所幹部(かなり偉い人)を近所で目撃したこともある。一般市民に至っては推して知るべし。そのまま飲める貴重な上水道水を「湯水」のように使い大勢がマイカーを飽きもせず洗っている▼人間が生きていくうえで不可欠な水ならしかたがないが、車など洗ったところで、どうせすぐ汚れるではないか。県外から高知に戻ると水道の水が本当に旨い。この水は貴重な資源なのだ。洗車ごときで浪費してはいけない。今後も異常気象、山の荒廃、都市部への人口集中は続き、水不足が根本的に解決することは考えにくい。水をもっと大切にしなければ我々は生きてはいけない。(2004年1月18日)

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