長かった知事選挙も終わり、橋本大二郎氏が再選された。日本共産党は自民党県政の復活を許さない立場から、独自の候補は立てず橋本県政の継続のために力を尽くした。橋本氏は選挙で示された県民の負託に応え、公約した「公正な県政」「県民に向き合う県庁」の実現へとまい進してもらいたい▼今回の知事選挙にあたり橋本県政打倒にむけ自民党県議団がかけた意気込みは並々ならぬものがあった。9月県議会で県議団の長老・依光隆夫氏自身が「爆弾質問」に立ち「選挙資金疑惑」を仕掛け、この動きに見事なまでに連動して松尾徹人氏が高知市長の職を辞し知事選に出馬表明。「疑惑」を最大限に利用し、自民党主流派と旧社会党系の組織力、地元紙の“援護”をもってすれば、勝算ありと考えたのだろう▼笠誠一氏のあいまいな証言だけを頼りに無理矢理設置した百条委員会では、投票日直前に和住工業の横矢氏の証人尋問を意図的に押し込むなど数々の禁じ手を連発するが、結果は空振り。焦って選挙中に尋問したことが裏目に出た。選挙最終盤には怪文書や橋本氏の家族をネタにした口コミが大量に飛び交ったが、これも松尾陣営のダーティさを浮き彫りにした感がある。結局、県民の判断は揺るがず、県政改革は再び橋本氏の手に委ねられた▼自民党県議団の痛手は相当なものだろう。議席は15まで減り満身創痍。百条委の後始末をどうつけるのかも見物である。橋本氏の当選後、元木益樹・自民県連幹事長がテレビにむかって「(橋本氏の話は)詭弁だ」と逆切れする始末。総選挙で創価学会抜きで自民党が成り立たないことが明らかになったことに続いての知事選での大敗北。自民党の崩壊現象が始まろうとしている。(2003年12月7日)


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