橋本知事の1期目の選挙に関係したとされる笠誠一氏の議会運営委員会での参考人招致は、なかなか興味深いものだった。「選挙の裏は全部オレが仕切っていた」と得意げに話す笠氏は、「疑惑」暴露は、橋本4選を阻止するために事前に、橋本県政に反感を抱く建設業者や依光隆夫・自民党県議と事前にうちあわせていたという舞台裏を明らかにした▼実は笠氏はもうひとつメガトン級の爆弾発言をしている。笠氏が建設会社から受け取ったとされる裏金を都合したのは「四国の談合を仕切っていた熊谷組高松支店の人」と明言してしまったのである。議場で名前を出された熊谷組は震え上がったことだろう▼橋本知事は、「自民党的な政治」の象徴でありダーティな金にどっぷり浸かった笠氏の影響力を排除するため「12年間、年賀状ひとつよこさ」ず手を切った。これを面白く思わない建設業者は不満を募らせ、依光質問から笠証言、松尾徹人氏の知事選立候補表明へと至る。狙いは誰の目にもミエミエである▼問題は金の流れを橋本氏が知っていたか否かということだが、笠証言では裏付けるものがない。事態解明には資金を提供した熊谷組にも事情を聞かなければならないだろう。県議会はこの際、徹底的に調査してほしい。談合が横行する県政に逆戻りさせてはならない。(2003年10月12日)

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