高知市教委が春野町に続いて学校の全面禁煙を検討しているという。喫煙者を見かけると「嗜好品=死向品。いいかがんやめたらどうか」と声をかけ「煙たがられている」筆者としては、大いに賛成と言いたいところだが単純にそうもいかない▼学校には生徒がおり喫煙が好ましくないのは当然。教師がスパスパ吸いながら生徒に「吸うな」と言っても説得力はない。かといって一律禁煙というのもいささか乱暴で、ファッショ的ですらある▼すでに喫煙者は社会的マイノリティと化しており、いたるところで喫煙は制限されている。いつでもどこでも堂々と紫煙をくゆらすことができた以前とは隔世の感があるが、飛行機内や混雑した路上ならともかく、教師が1日の大半を過ごす学校で一切タバコを吸わせないというのも職場のあり方としては少しオカシイ。構造上、分煙対策が難しければベランダや軒の下などを指定して吸うくらい良さそうに思えるのだが▼市教委が本来やるべき分煙対策をきちんとやらず、尻ぬぐいを喫煙者に押しつけているだけではないのだろうか。このご時勢、喫煙する教師は反論できないだろうから一言弁護しておきたい。まあベランダで吸うくらいなら、値上げを機に禁煙すればいいのにというのが本音ではあるが。(2003年7月6日)

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