スカラー波という電磁波から身を守るために白布をそこら中に巻き付けワゴン車をノロノロ運転するカルト集団がマスコミを席巻した▼この集団、勝共連合そっくりの強烈な反共を主張したかと思えば、タマちゃんに餌をやったり、ニビル星の接近で地球が滅亡すると信じるなど主張は支離滅裂で理解不能。その奇っ怪な行動は不気味であり、周辺住民にとっては迷惑このうえない存在だろう▼警察・行政・住民、そしてマスコミが一体となって、この教団を追いまわし大騒ぎをした。得体の知れない集団への住民の恐怖感は無理もない面もあるが、実は追い出せばそれでいいのかとすっきりしない気持ちを感じていた。自分の町から追い出したところで、真の解決にはならない。我々と価値観が違うからといって、ただ排斥するだけでいいのだろうか。ノロノロの車が迷惑なら、右翼の街宣車のほうがずっと問題だと思うが、警察や行政がこれほど機敏に動いた例を知らない。カルトなら比較にならないほど強大な教団が政治権力を行使している現実のほうがずっと怖い。抵抗できない弱小カルトをスケープゴートにしているとしか見えない▼白装束報道の裏で、個人情報保護法が衆院を通過し、有事法制の準備が進められ、ヤクザとねんごろのチョンマゲ代議士の首がつながったことを絶対見落としてはならない。(2003年5月18日)
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