10月25日、天皇夫妻を警備する警官の数がすごかった。警視庁の制服警官が辻々に群がるように立っている。私服警官も多い。これが自転車をとめようとする人に「ここにとめるな」、荷物をおろす宅急便のドライバーに「はやくどけろ」とやっていた▼若い私服警官が声を掛けてきた。職質である。「怪しいですか」と問い返すと「いや〜そんなわけでは、一応そういうことになっておりますので」とシドロモドロになりながらも側から離れない▼沿道には日の丸を手にした行列。中年と若い女性が目立つ。予定より15分ほど遅れで、白バイと黒塗りに続きナンバープレートの代わりに菊の紋をつけた天皇夫妻を乗せた黒塗りのセンチュリーが(この車はあらかじめ陸送するのか?)ノロノロ運転で通過した▼人々の反応は微妙だった。紙の日の丸を振るガサガサ音ばかりで意外と静かなのである(これが雅子さんあたりならギャーだったかもしれないが、美智子さ〜んとは言えないらしい)。隣にいた男性のつぶやく声を実況しよう。「おい、おい、どれや、どれや。あ〜、おった、おった」。そして通り過ぎると「なんやもう終わりか」。そそくさとオフィスに戻っていった。(2002年11月3日)

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