やっぱりというか、案の定というか、公明党が日本共産党に「拉致問題を疑惑と言ってきた責任を明確にすべき」と噛みついている。いつものことではあるが、この党の見事なまでの論理破綻には恐れ入る▼金正日が首脳会談で拉致を認めるまでは確定的な物証がなく「疑惑」というのが政府、公明党を含む与党、警察の公式見解だったのは衆知の事実で、当然公明党も「疑惑」という表現をしていた▼日本共産党は1987年の大韓機爆破事件を「北の犯行」と断定して徹底的に糾弾し、88年参議院で橋本敦氏、99年衆議院で不破哲三氏が拉致問題を提起。交渉ルートを開く中での解決の展望を示し、拉致の事実が明らかになると直ちに「許すことのできない犯罪」にきびしく抗議し、事件の徹底糾明を要求した▼「責任」というなら北のスピーカーの社民党と民主党内の旧社会党議員、自民党の野中広務氏、マスゲームと個人崇拝にシンパシーを覚えるのか「チュチェ思想」を礼賛してきた公明党自身に問うべきではないのか▼公明党・創価学会はこの種のデマ攻撃は得意中の得意で、過去の自らの言動との矛盾など意に介さず、いろんなことをやるだろうが、カウンターパンチで彼らのデタラメぶりを世に知らしめるチャンスである。(2002年10月27日)

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